空を飛ぶ、鳥の横顔ってかっこいい。
遠くを俯瞰的に見つめる目って、
どこか冷静に見えるのかもしれない。
そういえば、昆虫の顔はちょっと間抜けに見える。
目の前だけしか見えてないような目だからかな。
馬はどうだ。思慮深そうなあの横顔。
みずからの運命を知っているような、あの瞳。
そういえば、この前初めて連れて行ってもらった競馬場では、
パドックで馬をじいっと見ていたら、
馬に関して何の知識もなかったけれど
不思議と「やる気のある馬」と「ない馬」がぱっとわかる瞬間があった。
何がどうとはっきり言えないけれど、明らかに違うのはわかる。
そして、それがビギナーズラックで当たったりするものだから、
すっかり一日にして競馬に夢中になってしまった。
(破綻の道への第一歩?)
杉本博司さんの言葉を思い出した。
「人間の万感こみあげてくる感情のうち、言葉にできるものは
ほんの上澄みだけである。その言葉にならない部分は
眼の上に表情となって現れる。(中略)
その人の口が心に嘘をついて、私の眼が判断していることと
正反対のことを言ったとしても、
私は眼の語ることを信じることにしている」
(『苔のむすまで』)