映画、「ソーシャルネットワーク」を観た。
facebook創始者のお話。
まあ、なんという世の中かな、とため息が出る。
まず、ああいうのが「映画」として興行的にも成功し、
ナントカ賞をとったりすることへの違和感。
だって、見終わって世界観が変わってしまうような衝撃もなければ深さもない。
それって・・・映画というの??
そして、恋人に振られると、彼女の悪口を自分のブログに書き殴るような人が、
ちょっとした”運”と”才能”で世界のトップに君臨している事実。
映画の話がそのまま真実とは思わないけど、
頭がよくたって、人間的にはおこちゃまじゃん・・・。
はあ・・・。やな世の中。
一方で、我が身を省みれば、実態のない「スクリーン」ばかりを
一生懸命見つめて一日が終わっていたりする。
こんなモノの中に人生があるわけないじゃない。
と、わかっているのに、やっぱり私も”お手軽”なものに弱い。
そして、打てばすぐに何かしらの「答え」が
出てくるのに慣れるのが、とても怖い。
世界はそういうものじゃあ、ないのに。わかってはいるのに。
待つこと、じっくり考えること、すぐに結論を出さないこと、
一人であると知ること、”いまここ”に生きること。
そういうことができにくくなっているかも?
・・・
最近、東北で「手仕事」の取材をしてきた。
昔の作品を見ていると、大変な生活だったはずなのに、
どこか明るくておおらかで、「生きる意志」に満ちている。
便利になったいま、手仕事の黄金期は過ぎてしまったのだろうけど、
それが必要とされていた時代のもの(=黄金期のもの)は、
本当に緻密で丁寧で、存在感が違う。そしてどれも美しい。
切羽詰まって、生活の必要にかられて作ったものが
「美しい」というのは、どういうことなんだろう・・・。
胸が熱くなった。
もしや人間は、感性も技術も退化してるのかも?
昔に戻ればいいとは、決して思わないけど、
人間が発達させた技術によって、自らの能力を低下させているとすれば、
なという皮肉なんだろう。