図書館の取材でいろいろまわっているのですが、
場所や建物、デザインというのは、
やはり大きな力があるのだなあということ。
すてきな場所なら、気持ちがいいから自然と人が集まる。
そこにいるといい気分になるから、その場所に愛着がわく。
だからその場所を大切にする。
よりすてきな場所になる。
だから、より人が集まる。
そんなすてきなスパイラルがぐるぐると続く。
日本も、美しい場所を美しく残せば、
もっと愛着がわくのにな。
街や建物は大切な文化なのに、
簡単に古民家や歴史的建造物が壊されるなんて、犯罪行為。
素敵な人、大好きな人と一緒に過ごす時間は、
何にも代え難い人生最大のシアワセ。
そして、そんな素敵な時間を共有するのなら、
どうせなら美味しいものがいい。
そういう本を作るために集まった
お酒大好き、おいしいもの大好き、
のスタッフは、本当に素敵な方々。
魅力的で素敵な人との出会いも、
何にも代え難い人生の贈り物。
それにしても、”美味しい”の力はすごい。
美味しいものを食べて、
嫌な思いをする人はいない。
”美味しい”は”シアワセ”。
”美味しい”の力ってなんてポジティブ！
独り言をつぶやき、シチューを煮る土曜の夜。
火曜日、働く環境が少し変わった。
毎日たくさんの人に会う。その度に色々な話を聞く。
でも話がいまいち心の奥に届いてこない。ちょっと気持ち悪い。
「なんで私、この人と話しているんだ？」と。
でも、みんな本当によくしゃべるのだ。
なんだってあんなに話すことがあるのだろう、
と嫌味でなくて本当に感心してしまう。
仕事だから一生懸命頑張って話しているのだろうか、それとも
もともとの性質であんなに話すのだろうか。
私ももっと話さなくてはいけないのだろうか。
でも何を？？
まさかいきなり「私南米が好きなんですよ」って話をしてもねえ？
打ち合わせ。
南米のクスコに住んでいるT氏。
彼はペルーアマゾンの森に30年くらい通い詰めている。
森の話、生物のバランスの話、ジャングルを支配する不思議な力の話をする。
結局、本能の力ほど信じられるものはないのかも。
「愛はこの世で唯一、理性的な行為である」というゲーテの言葉をときおり思い出す。
帰りの電車で、桐野夏生「メタボラ」を読み始めると、いきなり冒頭はジャングルの暗闇だった。思わず先ほどのT氏とおしゃべりをしていた時間がそのままつながってくる。
「メタボラ」の舞台は沖縄。あの南国のじっとりとした、体中の細胞を目覚めさせる湿気が本を開けてから体にまとわりついている。明るい南国の裏にある、暗くじっとりとした湿気。