(photo:スペイン祭@池尻大橋ボーノ)
深夜、ひとり道を歩いていると、
後ろからついてくる影。
「中年、小太り、男ひとり」
南米をいつも一人で歩いていたためか、
いつも身の護り方を自動的に考えてしまう。
すると、その影がこちらにむかって何か言ってくる。
「ちょっと、止まって」
「さっき、駐輪場でかぎをがしゃがしゃやっていたでしょ。
あれ、君の自転車? 鍵あるの? ちょっと一緒に来てくれる?」
ぽかん、としつつ「はあ、これ鍵ですけど」
と差し出す。中年の男はさっとジャンパーを開けて、
警察官の制服を見せる。
「はあ・・・?」
確かに先ほど、駐輪場で自分の自転車に
鍵がうまくはいらず、がしゃがしゃやっていた。
変にひっかかっていたので、諦め、
「明日工具を持ってきて直すしかないな」
と、とぼとぼ歩いていたのだ。
で、なんで警官が私に話しかけてくるわけ?
まさか私が自転車泥棒だと疑われているわけ?
目が節穴なんじゃないの、びっくりしつつ、
「でもコイツ、警官の振りして、
人気のないところに連れて行こうとしてるんじゃ」
と疑いの目でジロジロ見る。(女はイロイロ大変!)
すると、その視線を感じたようで、
腰のピストル(棍棒?)をちらつかせ
「大丈夫、ホントの警官だから」。
で、駐輪場につき、登録を調べると
すぐに一件落着。
ちょっとむかついたので、どうせなら
このオジサンたちに鍵を直してもらおうと思い、
「これ、直らないですかねえ・・・(ため息)」
と心底困ってみせると(ホントに困っていたけど)
オジさんのうち一人がガシャガシャやって、直った。
すると、この中年小太りオヤジ、
「はははー、まあ、良かったじゃないか。
ここまで歩いて戻ってきた甲斐があったねー。
お酒入っているみたいだから、まあ、気を付けて」
ナニ?
なんか、なんか、違くない? 偉そうじゃない?
疲れていた私は、「はあ・・・」と言って、
その場を去ったけれど、
お風呂の中で無性に腹が立ってきた。
人を泥棒と間違えておいて、
「すいません、間違えました」の一言もなく、
挙げ句の果てに「よかったね」?!
うー、やっぱりムカツクぞ。
せっかく、スペイン料理おいしかったのになあ。