昨夜、夜の六本木に降り立ったら、
「あ、匂いが違う」と思った。六本木の街の匂いだ。
いろいろな香水が夜の街の空気に溶け込んでいて、
そのまま匂いを追いかけていったら、シャンデリアとかキラキラした
ナイフとフォークとか、シャンパン、とか煙草とか男と女とか、
そういう世界にたどりつきそうな、匂い。
匂いは目にも見えないし、そこに実態としてあるわけじゃないけれど、
たぶんだからこそストレートに感覚にうったえてくる。
見てもいないし、触ってもいないし、経験をしたわけでもないのに、
「匂い」として記憶に残っているというのは不思議。