いつか行ってみたいと思っていた上高地。
ふと思い立って、訪れることができた。
新宿から深夜バスにのって、およそ6時間。
明け方、雨にしっとりとぬれた上高地に降り立った。
雨具を着込んで歩き始めると、川が現れる。
梓川だ。どこまでも透明で柔らかく、滑らかに流れる姿に、目をみはった。
「自然」とは、こんなに美しいものだったんだ。
ひたすら、森の中を歩き回った。
草も木も、みんな光を求めて上へ上へと、伸びている。葉を広げている。
でも、一体何のため?
空気中には、小さな虫、埃、いろいろなものが浮遊している。
この世界にはいろいろなものがいる。
ふと目をやった森の中に、
生命の不思議、宇宙の秘密が詰まっているようで、胸がどきどきする。
神々しいほど、美しい風景を目の前にすると、
ただひれ伏して、立ちつくすしかない。
山、いいな。