先日、タルコフスキー特集を観に映画館へ。
「ローラとバイオリン」と「ストーカー」。
息をつくのも忘れるほど、映画の世界に魅了されてしまった。
美しい映像、繊細な音、心に響く言葉。
忘れられない詩をひとつ。
ひそやかに夏が過ぎ去った
陽だまりは暖かいが
それだけでは淋しい
すべての出来事が
この手の中に横たわったとしても
それだけでは淋しい
善も悪も徒に消えることはなく
すべてが燃え上がっても
それだけでは淋しい
人生という翼の下
私は守られいるが
幸福というだけでは淋しい
葉は焼かれず 枝も折られず
ガラスのように透明な日々
ただ それだけでは淋しい