世の中はけっこう、苛立つことが多い。
個人レベルのささいなことから、
世の中のいろいろな出来事まで。
しかし、そんな中でもハイチ地震は、
なぜかとてもショックだった。
「なぜ、よりにもよってハイチ?!」
どうしようもないことだけに、脱力感。
その日、スペインのラジオからは、
一日中ハイチ地震のニュースが流れていた。
でも、もとをただせばそれも、
植民地問題までいくんだろうな。
地震自体は不可抗力の自然災害だけれど、
治安の悪さや最貧国である原因は、別のこと。
彼らが悪いわけではないのに、
被害を100%被っているのは彼ら。
世の中は、やっぱりいつでも不公平なもの。
学生時代、いろいろな国をバックパックで旅して、
感じたのもののひとつもそれだった。
「この世は決して公平なものではない」。
悲観しているのでもなく、ひとつの紛れもない事実として。
公平ではない。
誰かが死ぬのも、病気になるのも、
くじに当たるのも、金持ちの御曹司として生まれるのも、
そこに確固たる理由なんてない。
でも、べートーヴェンは、
全身全霊をかけて「幸せ」をつかもうとしてたんだよな……。