早朝、鳥居をくぐって誰もいない境内に入ると、
「早くから、ご苦労さん」
とおばあちゃんに声をかけられた。
早朝から庭を掃いているおばあちゃんこそ、「ご苦労様」なのに・・・・・・。
きっと、いつもいつも、こうやって朝から掃いているんだろうな。
なんとなく、そんな感じがした。
今朝は寒いね。あんたどこから来たの。
そんなとりとめもないおしゃべりをして、
じゃあまた、お元気で、と別れた。
表の鳥居につくと、そこにも掃除をしているおばあちゃんがいた。
「ご苦労様です」と声をかけると、
「そちらこそ、ご苦労様」とにっこり。
ただ朝からふらふらしている、”旅人”の自分に
ちょっと頭をかきながらそ、そそくさと神社を後にした。